生き物は動物も植物も、全て呼吸をしています。

人間も呼吸無しでは生きられません。

しかしながら、最近では呼吸が浅い人が多くなっています。

 

浅い呼吸では体内に取り込まれる酸素の量が少なくなってしまいます。

すぐに酸欠になってしまう、という事はありませんが、

酸素が足りない状態は体にとって様々なトラブルの原因にもなります。

気になるお肌の状態にも現れてしまいます。

 

酸素不足が起こると?

では、酸素が不足した状態になるとどのようなトラブルが起こるのでしょうか?

 

集中力、記憶力の低下

人体の臓器の中で最も酸素を消費するのは「脳」です。

重さで見ると脳は体重の2%程度ですが、酸素の消費量は全体の20~25%にもなります。

酸素不足は脳の疲労が増加して記憶力や集中力が低下しやすくなります。

さらに、脳への影響から、自律神経のバランスは乱れ交感神経が優位になります。

浅い呼吸が続くとイライラして感情のコントロールが出来なくなり、ますます交感神経優位になります。

これはストレスが多い時と同じような状態です。

この状態がさらに浅い呼吸を招いてしまいます

 

代謝の低下

ダイエットをする方にとっても酸素不足は問題です。

酸素が不足すると脂肪の燃焼効率が低下します

脂肪を分解するにはリパーゼという酵素の働きが必要ですが、

リパーゼの活性化には酸素が必要です。

酸素が不足していると脂肪が燃えにくく、痩せにくい体になってしまいます。

 

視力低下

目の疲労回復には酸素が必要になります。

酸素不足により目の疲労がたまると視力にも影響します

 

 

筋肉のコリ

酸素不足により筋肉がコリやすくなります。

いわゆる肩こりや、首こり、腰のはりなどを感じるようになります。

酸素が不足してコリやすくなるだけでなく、

筋肉がこることで血流が悪くなりその結果さらにコリは悪化します。

目が疲れたり、視力が低下して物を見にくくなったりすると、

眼精疲労と肩こりには関係があり、肩こりが悪化する場合もあります。

 

老化が進む

人間の体の細胞は常に新しく入れ替わったり、

壊れた細胞を修復したりという事を繰り返しています。

 

細胞の入れ替わりや修復には酸素が必要になります。

 

酸素が不足すると細胞の修復がされずに痛んだり、

細胞の入れ替わりが遅れたりすることで細胞がダメージを受けます。

つまり、老化が進みます。

その結果、臓器の機能が低下したり、病気のリスクが高まったりといったことが起こります

 

お肌のトラブル

お肌で細胞の修復や入れ替わりがうまくいかなくなるとターンオーバーが乱れます。

その結果、シミ、しわ、たるみなどの原因になります。

角質の入れ替わりが遅れて古い角質が残った状態ではバリア機能が低下し、

乾燥肌や肌荒れの原因になります

お肌の弾力を保つコラーゲンが生成されるには大量の酸素が必要となります。

酸素不足によりコラーゲンが減少するのでお肌のハリも低下します

 

 

 

酸素不足を表す「あくび」

睡眠不足の時には「あくび」が出ます。

あくびは眠たい時に出る物、と思われるかもしれませんが、これは体からの酸素不足のサインです。

十分な睡眠がとれていないと疲労が回復できず、脳内の酸素が不足します。

その為、大量の酸素を取り入れようとして強制的に深呼吸をさせます。

これがあくびです。

 

眠たくないのにあくびが出る事もあります。

これは「生あくび」と呼ばれます。

 

原因は一緒で、脳の酸素不足により起こります。

※過度に緊張している時や過剰なストレスを感じている時

※熱中症の時

※片頭痛の前兆

※急激な血圧の変動や血糖値の低下

などで起こります。

 

単に睡眠不足や緊張しているというくらいならまだ良いのですが、

深刻な体の状態を表している場合もあるので、ご注意を。

 

酸素不足の原因となる浅い呼吸とは?

意識して息を吸ったり吐いたりしなくても呼吸は自然と出来ます。

何事もなく普通に呼吸をしているようでも実は浅い呼吸になっており、

酸素不足が起こっている場合があります。

なぜそのような事が起こってしまうのでしょう?

 

姿勢不良

背中を丸くしていると背中が硬くなります。

この時、肩甲骨の動きは悪くなります。

呼吸は肋骨が開く事で胸郭が広がり、

肺が大きくなることで空気を体内に取り込みます。

肩甲骨の動きが悪くて背中が硬くなると肋骨が開かず、

呼吸が浅くなってしまいます。

 

試しに、椅子の背もたれにだらしなく寄りかかって背中を丸めて座り、深呼吸をしてみましょう。

深く息を吸えないと思います。

 

頭皮の硬さ

頭は一つの骨ではなく、いくつかの骨がつながって出来ています。

赤ちゃんの時には完全に骨が固まっておらず、頭の骨の継ぎ目が穴のようになっていたりします。

大人になればつながって固まっているのですが、それでも若干動きます。

頭の骨の動きは骨盤や肩甲骨の動きとも連動しています。

頭皮が硬くて頭蓋骨の動きが制限されると肩甲骨の動きも悪くなり、呼吸が浅くなるのです。

 

そもそも頭皮が硬くなる原因の一つに「肩こり」があります。

肩こりや首のこりなどによって血行が悪くなると頭皮も硬くなります。

姿勢の不良やストレス、冷えなどによっても血行不良による頭皮の緊張が起こります。

 

スマホの悪影響

浅い呼吸にはどうも姿勢が大きく関係していそうですね。

昨今、姿勢不良の大きな原因の一つに「スマホ」があります。

 

手元のスマホを見下ろして使う事が多いと思われますが、

その時には背中を丸くして、下を向いている事になります。

背中を丸めた姿勢では首肩から背中にかけての筋肉が緊張しやすくなります。

そして、下を向いている時間が長くなり、気道が圧迫されると呼吸が浅くなります。

 

怖いのは、人間の体は順応性があるという事です。

長期間にわたり浅い呼吸を続けているとそれが体にとって普通になってしまいます。

その結果酸素不足が慢性化して息苦しい状態が続いてしまいます。

 

スマホを使うときには手元のスマホを見降ろすのではなく、

目線の高さにスマホを上げて使うようにしましょう。

 

慣れるまで辛く感じるかもしれませんが、続けていると身体にとってその姿勢の方が楽に感じるようになります。

 

姿勢不良は肩こりや腰痛の原因にもなり、正しい姿勢を心がける事で体の状態はかなり変わりますよ。