女性に多いお悩みの一つに「顎関節症」があります。

口が開きにくい、動かすと痛みがでる、等の悩みだけでなく、

エラが張ったりお顔が大きく見えてしまったりといった

美容に関するお悩みにもつながる場合があります。

 

顎関節症とは

顎関節症とは、

顎関節や顎関節を動かす筋肉(咀嚼筋)などの痛み、口が開きにくい、カクカクと音がする、

などの症状が出ている状態を言います。

 

顎関節は下顎骨の下顎頭と、側頭骨の下顎窩という二つから成り立ちます。

関節としてはもともと緩く、間に「関節円板」と呼ばれる線維性の組織が挟まり、関節を安定させています。

 

しかしながら大きく口を開ける時は下顎頭が前方へと大きく動き、

正常でも少し関節が外れたような状態(亜脱臼)になるという特徴があります。

 

その為、非常に動きが大きい関節の一つであり、

何らかの影響でひっかかったり動きが悪くなったりという事が起こりやすい所でもあります。

 

 

顎関節症の原因

顎関節症の原因と言えば歯のかみ合わせに問題があると長らく考えられてきましたが、それだけが原因ではないようです。

 

実際、かみ合わせが悪くて症状が出ている人がいれば、そうでない人もいます。

 

現在、顎関節症の主な原因として考えられているのは「歯の接触」です。

 

実は、何もしていない時の人間の歯は口を閉じていても離れています。

会話や食事などで接触しますが、一日で合計しても20分に満たない程度の短い時間です。

 

それが何らかの理由で接触している時には咀嚼筋は緊張を続けてしまい、咀嚼筋が疲労します。

咀嚼筋が緊張すれば下顎頭が関節窩に押し付けられ続けることになり、顎関節の負担も増加します。

例えば、日常生活の中での動作や姿勢不良、ストレスなどにより負担がかかり続ける事が多くなります。

噛み締めや寝ている間の歯ぎしりなどでも関節に大きな負担がかかります。

 

こうして関節に負担が蓄積した状態の所へ、

あくびなどで過度に大きな口を開けたり、

固い物を噛んだりといった負担が加わり、

症状が出る事が多いです。

 

顎関節症の症状

 

顎関節症の説明の所でも出てきたように、主な症状は

・開口障害

・疼痛

・関節雑音

の三つです。

 

開口障害

一般的に良く言われるのは

自分の人差し指・中指・薬指を縦に三本並べ、口を開けて入れてみる

というものがあります。

第二関節くらいまで入れば正常と言われます。

 

下顎頭が前方へきちんと動いているかどうかが重要なので、

実際の臨床の場ではただ開くかどうかだけでなく、顎関節に触れて骨の動きを確認します。

 

疼痛

口を開けようとするときに痛みが出ます。

症状が出始めの急性期にはじっとしていても痛みが出る事があります(自発痛)。

 

痛みが出るのは耳の前側の関節部、側頭筋があるこめかみの辺りや咬筋のある顎関節の前側に出る事が多いです

関節雑音

口を動かしたときに

カクっと音がしたり(クリック音)、ギシギシとこすれるような音がしたり(クレピタス音)

することが有ります。

 

痛みなどがなくクリック音だけであればそれほど問題はないと考えられています。

クレピタス音が出るのは関節の摩擦が多くなっている状態なので関節の負担が多くなっていると考えられます。

 

全てが出るわけではなく、一つだけ出る人や、

明確に症状が出ないまでも多少アゴの動きがずれるなどを感じている人まで、

顎関節症予備軍と言われる人まで含むと非常に多いと言われています。

 

 

 

美容への影響

以前ご紹介したように、

小顔になるためには〇〇が大切だった!

 

噛み締めが強いと側頭筋と咬筋が大きくなり、顔が大きく見える場合があります。

 

顎関節症は上下の歯が接触して咀嚼筋の緊張が強くなることから起こり、このような状態になりやすいです。

 

筋肉が大きくなってしまうだけでなく、下顎骨が引っ張られる事で広がり、エラが目立つ様になります。

また、下顎骨の左右へのズレや、片方の筋肉が大きくなる事で顔の左右差が出やすくなります。

 

さらに、ダイエットをする方にも要注意です。

アゴを動かすと痛みが出る事から食事中の咀嚼回数が減ります。

満腹感は咀嚼の動作により脳が感じるのであまり満腹感を得られず

、結果的に食べ過ぎてしまう場合があります。

噛む回数が減ると唾液の分泌も少なくなり、

余分な水分を多く摂ると冷えにもつながり、

代謝が落ちると痩せにくい体になってしまいます。

 

顎関節症への対処

かつてかみ合わせが原因と考えられていた時代には

歯を削ったり手術をしたりといった治療が主でしたが、

このような方法では一度治療を行って効果が無かった場合でも

元の状態に戻すことが出来なかったり、

患者の体への負担が大きかったりなどの理由により、

外科的な処置が必要な場合以外にはあまり行われなくなっています。

 

食事の注意

痛みが強い時には硬い物を噛むのは避けましょう。

落ち着いてきたら痛みが出ない範囲で少しずつ噛んでみます。

安静を続けていれば良いというものでは無いので、

楽になってきたなら少しずつ使っていく事も大切です。

 

 

顎関節のストレッチ

局所的なものとしては咀嚼筋の緊張が強くなりすぎて

口を開ける動作を妨げてしまっている状態があります。

咀嚼筋を緩める事で口を開けやすくなります。

1 可能な限り口を開けてその状態で15秒キープ

2 アゴを前方へ突き出して15秒キープ

3 2とは反対にアゴをひっこめた状態で15秒キープ

4 左右にそれぞれアゴをずらして15秒ずつキープ

1、2、3と4が左右で2セット、合計5セットですね。

 

注意点は動かすのは痛みが出ないところまで

とくに口を無理に大きく開けると痛みが出る事があるので気を付けてください

鏡を見ながらしっかり動かせているかを確認しながら行いましょう。

 

姿勢の改善

デスクワークでの長時間のパソコン、

普段くつろいでいる時間でもスマホを眺める時間が長い…

という方は少し猫背、前傾姿勢になってしまっているのではないでしょうか?

 

ややうつむくような姿勢になると自然と歯を食いしばってしまいがちです。

特に、うつぶせになって本を読んだりスマホを操作したりする時に頬杖をついてしまうとアゴへの負担も増大します。

冒頭の写真のような姿勢ですね…

常に正しい姿勢で、というのは難しいとは思いますが、顎関節症でお悩みの方は特に気をつけましょう。

 

 

あくびを抑える

大きく口を開けすぎてしまうのが顎関節症の症状に悩まされるきっかけになる場合があるのはすでにお話しました。

せっかく症状が治まってきた時にまたぶり返してしまってはつらいですね。

しかしながら、あくびが出そうなときに無理にこらえると咀嚼筋の緊張が強くなり、

やはり顎関節に負担を掛けてしまう事になります。

このような時は、あくびが出そうになったら手を握ってこぶしを顎の下に当ててこらえましょう

 

 

ストレスの解消

イライラしている事が普段の噛みしめや寝ている時の歯ぎしり等につながります。

長時間緊張状態が続くと症状が出やすいので、

デスクワークや運転などのお仕事をされる方は

可能な限り定期的な休憩時間を挟んで体を動かしたりストレッチしたりするなどを心がけましょう

 

 

顎関節症に対する鍼灸

 

自律神経のバランスを整える事でストレスを軽減させ、緊張状態を和らげる事が大切です。

そして、局所の咀嚼筋の緊張を和らげて顎の動きを改善していきます。

 

体の緊張は姿勢不良にもつながり、お身体の状態を整える事はとても大切です。

「顔は心と体を映し出す鏡である」という理念は美容に限らず、

顎関節症のような局所の症状に対しても同じことが言えます。

 

結果として噛みしめ、歯ぎしりなどの緊張状態が改善する事で

フェイスラインがスッキリ、小顔になるというように美容へつながる効果も期待できます。