冬は寒さと乾燥、お肌ケアをきちんとしないとお肌が乾燥してしまいます…
では、今の時期はまだ安心、そんな風に思っていませんか?
実は、夏でもお肌は乾燥するものです。実際、ガサガサしたお肌に悩まされている方も多いのではないでしょうか?
夏にお肌が乾燥する理由
今の時期にお肌が乾燥する原因は大きなもので3点あります
1 空調(エアコン、扇風機など)によるもの
2 紫外線によるもの
3 汗によるもの
暑いとついついエアコンの風を直接受けて涼みたくなりますね。
少しなら良いですが、ずっと風を浴びているとお肌からどんどん水分が奪われ、お肌が乾燥してしまいます。
また、紫外線対策がきちんと出来ていないと紫外線によりお肌が炎症を起こし、肌が荒れると水分が逃げやすくなり、結果、乾燥肌になってしまいます。
そして最後に「汗」です。
今回は汗について詳しくお話していきたいと思います。
汗にも種類がある?
汗を出す「汗腺」には
1 エクリン腺
2 アポクリン腺
の二種類が有ります。
この内、アポクリン腺は体臭を出すためのもので、人間では腋や性器周辺など限られた場所に存在します。
アポクリン腺から出る汗は水分だけでなくタンパク質や脂質、アンモニアなどを含みます。
動物は仲間同士で認識しあったりコミュニケーションをとったりするために体臭を出すことがありますが、人間ではこのような必要が少なくアポクリン腺は退化しており、身体の一部に限局されています。
一方、エクリン腺から出る汗の主な役割は体温調節です。
エクリン腺はほぼ全身に存在し、エクリン腺から出る汗はほとんどが水分で若干のミネラルを含み、匂いは少なくほぼ無臭です。
良い汗、悪い汗がある?
エクリン腺から出る汗はサラサラしていて匂いも少ないです。
これは、汗の成分がほとんど水分だからです。
サラサラの汗は蒸発しやすく、体温調節の役目をしっかりと果します。
これはいわゆる「良い汗」です。
なぜこのような汗になるかというと、最初に作られた汗は水分だけでなく塩分などのミネラルを多く含んでいますが、汗腺は身体に必要なミネラルを再吸収して水分だけを汗として外へ排出するからです。
結果、サラサラで匂いの少ない汗=「良い汗」をかくことが出来るのです。
しかしながら、汗腺の働きが悪いと再吸収の仕組みが働かず、身体に必要なミネラルも一緒に汗として排出してしまいます。
そのような汗はベタベタしており匂いもあります。
ベタついた汗は蒸発しにくく、体温調節の働きが弱いため、身体に熱がこもり、ひどい場合では熱中症などの原因にもなります。
これが「悪い汗」です。
「悪い汗」が乾燥肌を作る?
お肌の表面は「皮脂膜」により守られています。
皮脂膜はお肌から分泌される「皮脂」と「汗」が一緒になって作られます。
皮脂膜はお肌が乾燥しないように水分の蒸発を防いだり、外からの刺激からお肌を守る役割があります。
この時、皮脂膜を作る汗はサラサラの汗である必要があります。
アポクリン腺から出る汗や、エクリン腺から出る汗でもミネラルの多いベタベタの汗の場合、肌がアルカリ性に傾きやすく、またミネラルは細菌の好物で肌で細菌が繁殖しやすくなり、皮脂膜には良くありません。
また、汗腺の働きが良くない方は皮脂腺の働きも悪い事が多く、汗をかいて水分が出ていく一方で皮脂が足りず、やはり皮脂膜がきちんと作られなくなってしまいます。
お肌を守る皮脂膜を作るにはサラサラの汗をかく事と適度な皮脂の分泌が必要になるのです。
「良い汗かいた!」その為には…?
では、良い汗をかいてお肌を守る皮脂膜を作るにはどうすればよいのでしょうか?
それは、適度に運動して体を動かすことです。
体を動かして汗をかく習慣があると汗腺が発達し、良い汗をかけるようになります。
同じく、体を動かすと皮脂腺の働きも活発になるので、併せて良い皮脂膜を作ることが出来、お肌を守ることが出来ます。
また、運動には別の効果もあります。
運動不足で汗をかく習慣がない方の場合、体の汗腺の働きが悪く汗をかきにくい場合があります。
このような方の場合、暑い環境下で体温を調節するために汗を出さなければならない時、下半身より上半身、さらに良く動いているお顔から汗が出やすくなります。
その結果、お顔の皮脂が汗で流れ出してしまったり、頻繁に顔の汗を拭いて皮脂膜を傷つけてしまったりすることで乾燥肌につながる場合があります。
適度な運動で体全体から汗をかく事で汗腺を活発にしてあげると、お顔からの汗を減らす事が出来、その結果お顔の乾燥肌を予防することにつながります。
暑い時期こそ、お肌を守るために取り組むべき事
「適度な運動」ですから、激しい運動をしなければならないという訳ではありません。
ジョギングやウォーキング、家で出来る体操や寝る前のストレッチなど、ご自分の出来る範囲のものからで大丈夫です。
でも、できれば軽く汗をかいて
「良い汗かいた~!」
と感じられるくらいに体を動かしていただけると良いと思います。
そして、汗をかいた時はゴシゴシこするのではなくかるくタオルで抑えるくらいにします。
洗顔時にはシャワーのお湯を直接顔にかけると皮脂が流れ出やすくなりますので、手ですくって顔を流します。
さらに、お湯の温度も高すぎると皮脂が溶け出しやすくなります。
体温は36℃位ですが、皮膚の表面は30℃位になっています。
同じ30℃程度のぬるま湯で洗顔するのが望ましいです。
お湯で洗い物をすると手が荒れるのと同じですね。
暑い日が続いてベタベタの汗が気になるあなた、お肌の為にもいい汗をかいて乗り切りましょう!