寒さが厳しくなってきました。

冷え性に悩む方にとってはつらい季節がやってきましたね…

そもそも冷え性とは?

冷え性とは、身体の一部が冷えているのが続いている状態の事です

単に体温が低い、という事ではなく、身体の中で温度差が生じている状態を指します。

「寒い」というのは全身ですが、「冷える」というのはどこか一部分の事です。

よく、「冷え性」と「低体温」とが混同されてしまいがちですが、

「低体温」とは、平熱が36℃未満である状態を指し、

「冷え性」には何℃以下などといった定義は特にありません。

一部が冷えている、体内で温度差が生じている状態ですので低体温とは区別されます。

身体が冷えて辛いというだけではなく、冷えに伴いさまざまな体の不調の原因となります。

何らかの疾患が原因となって、身体の冷えとして現れるという場合もあり、

昔から「冷えは万病のもと」と言われます。

 

冷え性が女性に多い理由

一般的に、冷え性は女性に多いとされています。

その原因としては

筋肉量

体脂肪量

ホルモンバランス

月経

生殖器

の5つが挙げられます。

 

筋肉量

体の中で熱を生み出す臓器の中で大きな割合を占めているのは「骨格筋」です。

筋肉は緊張状態で熱を発生させ、運動時にはさらに多くの熱が作られます。

寒い時に体が震えてしまうのは、筋肉を無理矢理動かして熱を作ろうとする体の反応です。

筋肉の量は男性に比べて女性の方が少なく、作られる熱の量も少なくなります。

 

体脂肪量

脂肪は身体では断熱材のような働きをしています。

また、一度冷えると今度は保冷材のように冷たい状態を維持しようとします。

男性に比べて女性の方が体脂肪がつきやすく、それだけ体を冷えた状態にしやすいと言えます。

 

ホルモンバランス

女性は月経や出産など、ホルモンバランスが崩れる機会が男性よりも多くあります。

ホルモンのバランスが乱れると身体の不調の原因となる事があります。

この時、自律神経のバランスも乱れるので、体温調節の機能に異常をきたして

冷えにつながります。

 

 

月経

月経の時には出血が起こります。

体内の血液量が減る事により、血液循環が悪くなります。

血液量が減ると赤血球の量も減るので、体内に行き渡る酸素の量も減る事になり、

これも冷えの原因の一つとなります。

 

生殖器

女性の生殖器である卵巣や子宮では構造上血液が滞りやすくなっています。

血液が滞ると体内の血液循環が悪くなり、冷えにつながると言われています。

 

これらの理由により、男性に比べて女性の方が冷え性になりやすいのです。

 

「冷え性」が美肌を遠ざける?

冷え性は肩こりや腰痛、不眠など様々な体の不調の原因となります。

そして、気になる「肌トラブル」の原因にもなってしまうのです。

 

ターンオーバーを乱す

冷えて血行が悪くなり代謝が低下するとお肌のターンオーバーが乱れます。

ターンオーバーが乱れると古い角質が残りやすくなり、

ゴワゴワした固い肌になってしまったり、「くすみ」の原因になります。

また、表皮細胞の入れ替わりが悪くなり、「シミ」が出来やすくなることもあります。

古い角質が多いと毛穴が詰まりやすく、その状態では「ニキビ」が出来やすくなります。

 

乾燥肌がますます乾燥

ターンオーバーの乱れにより肌のバリア機能が低下すると、

お肌からの水分の蒸発が増加して乾燥しやすくなります。

お肌を守るバリア機能の一つに「皮脂膜」がありますが、

皮脂膜は皮脂腺から分泌される皮脂に汗が混じって作られます。

寒くなると汗をかきにくくなり、皮脂膜が不足して

さらにお肌からの水分の蒸発が進みます。

この時、肌の常在菌の一つ「表皮ブドウ球菌」が皮脂を分解して

保湿成分である「グリセリン」を作ります。

表皮ブドウ球菌が活発に働くには「温度」と「湿度」が重要です。

汗が少なく、血行が悪い状態では菌が活発に働かず、

保湿成分が不足して乾燥しやすくなります。

もともと乾燥している気候であることに合わせて、「乾燥肌」が出来やすくなります。

乾燥がひどくなると「しわ」「たるみ」「肌荒れ」の原因にもなります。

 

血行不良

血液循環が悪い状態では、お顔の場合、血色が悪くなりお肌の「くすみ」

が目立つようになります。

血液の流れが滞っていると目元の「クマ」も目立つ場合があります。

血液の流れが悪い状態をなんとかしようとする体の反応が起こると、

毛細血管が広がって「赤ら顔」の原因にもなります。

栄養が隅々まで行き渡らないと「肌荒れ」もしやすくなります。

 

冷え性対策

 

適度な運動

筋肉をつける事だけでなく、動かす事でも血液循環は良くなります。

筋肉は特に下半身に多く、大きな筋肉も多いのでジョギング、ウォーキング等

で刺激をすれば全身の血流が良くなります。

普段運動していない人でも、簡単なストレッチだけからでも効果は感じられると

思います。

 

入浴

熱めのお湯では交感神経が刺激され、身体は興奮状態になります。

交感神経優位の身体では血管が収縮し、血流は悪くなってしまいます。

39℃くらいのぬるめのお湯にゆっくりつかると身体はリラックスして

副交感神経優位になります。

この状態では血管が拡張して血行が良くなり、代謝も促進します。

ストレス社会と言われる現代では交感神経緊張状態になっている事が多く、

自律神経のバランスが乱れているのでリラックスできる環境を作る事が大切です。

 

食生活

冷たい飲み物やアイスクリームなど、内側から直接体を冷やしてしまいます。

温度だけではなく、食べ物には体を冷やす性質と温める性質のものがあります。

例えばコーヒーはホットでもアイスでも冷やす性質を持つので、飲み過ぎには注意しましょう。

水分の多い葉物の生野菜は身体を冷やします。熱を通すだけでも性質は変わるので、

サラダなど生で食べるのは控えめにします。

逆に、根菜類は身体を温める性質を持ちます。