そばかすとは?
そばかすは、医学用語では「雀卵斑(じゃくらんはん)」と呼ばれます。
多くは鼻や左右のほほを中心に現れる、2~4mmくらいの茶色の斑点の事です。
顔以外でも背中や肩、首や胸元のデコルテ、上腕の外側や手の甲など、普段から紫外線を浴びやすい場所に出来るという特徴があります。
幼少期の頃に現れて、思春期にかけて色が濃くなっていく事が多いですが、それ以降は加齢に伴って薄くなっていく事もあります。
なぜ出来るの?
そばかすの主な原因は遺伝であると考えられ、家族にもそばかすが出来ている事が多いです。
紫外線を浴びると悪化することがあります。
その他、ホルモンバランスやストレス、睡眠不足なども悪化させる要因となります。
妊娠中の女性はそばかすが目立ちやすくなる傾向があります。
また、白人に多く、日本人では色白の人に出来やすいです。
皮膚の構造は表面から表皮、真皮、皮下組織の三層に分かれています。
表皮はさらに表面から角質層、顆粒層、有棘層、基底層の四層に分かれています。
この中で一番深層にある基底層には色素細胞である「メラノサイト」があり、
皮膚の色を濃くするメラニンを合成しています。
表皮はターンオーバーによって約1カ月かけて入れ替わります。
メラニンは基底層から皮膚の表面まで押し上げられ、最後はあかとして剥がれ落ちます。
このターンオーバーの周期が乱れてメラニンの合成と排出のバランスが崩れてしまうと
メラニンが皮膚に過剰に溜まってしまいます。
このメラニンが茶色く見えてしまうのです。
シミとは何が違う?
そばかすはシミの一種です。
シミとそばかすの違いは「遺伝性か、そうでないか」です。
シミは紫外線を浴びすぎてしまう事や、生活習慣の乱れなどでターンオーバーが乱れる事
等の原因によって起こります。
これは後天的な症状なので、紫外線に対するケアや生活習慣の見直しなどで防ぐ事が出来ますが、
そばかすは遺伝性の要素が強く、完全に防ぐことは難しいです。
肝斑(かんぱん)とは違うの?
肝斑もシミの一種です。
シミは出来る場所は決まっていませんが、肝斑は左右の頬、目元の辺りに出来ます。
シミと同じく紫外線による刺激で出来ますが、それ以外にもホルモンバランスが関係していると考えられています。
また、左右対称に出るというのも大きな特徴です。
気になるそばかすはどうすれば良いの?
そばかすは遺伝性の物なので、完全に消すことは難しいです。
しかし、きちんとケアをすることである程度薄くして目立たなくする事は出来ます。
日常生活で出来る事として、以下の物などが挙げられます。
・紫外線への対策
紫外線が弱い季節にはそばかすが薄くなることがあります。
そばかすの原因の一つは紫外線です。
日焼け止めや日傘などを使用して紫外線を浴びないように気を付けて、
日焼けを防ぐことでそばかすが濃くなることを予防できます。
・生活習慣
そばかすの原因のもう一つはターンオーバーの乱れです。
睡眠不足やストレスなどでターンオーバーが乱れます。
生活習慣を見直したり、ストレスを解消したりすることでターンオーバーを整える事でも
そばかすを薄くすることが出来ます。
・食生活
ビタミンC
ビタミンCはメラニンのもとになる「チロシナーゼ」の働きを抑制します。
果物や野菜に多く含まれます。オレンジ、レモンなどの柑橘類、いちごやブルーベリーなどのベリー類、
パセリ、ゴーヤなどです。
気を付けた方が良いのは、柑橘類やキウイはビタミンCが豊富ですが、
紫外線の吸収を促進する「ソラレン」という成分を含んでいます。
朝食で摂ると逆に紫外線吸収を促進してシミの原因にもなりますので、
夕方以降に食べる事で良い効果があります。
セラミド
セラミドは人の肌では角質層で生成され、肌のバリア機能を保つ働きがあり、
紫外線から肌を守りメラニンの生成を抑制します。
食品では「グルコシルセラミド」として存在しており、
こんにゃく、しらたき、小豆、ひじき、牛乳などに多く含まれています。
L-システイン
L-システインは代謝を促進して、メラニンの生成を抑制し、排出を促進します。
L-システインは食品には存在せず、必須アミノ酸の一つであるメチオニンを
摂取することにより体内で合成されます。
マグロの赤身、湯葉、チーズ、牛肉などに多く含まれます。
ビタミンE
ビタミンEはお肌のターンオーバーを促進します。
ナッツ類やうなぎ、アボカド、ひまわり油などに多く含まれています。
逆に、カフェインは色素沈着を悪化させ、シミやそばかすを濃くします。
また、アルコールの過剰摂取は肝臓での解毒時に活性酸素が発生し、メラニンを増加させます。
そばかすの治療方法はあるの?
美容外科では内服薬や外用薬が処方されます。
内服薬では、先ほどの食事の所で出てきた「ビタミンC」「L-システイン」の他、
色素沈着を抑える「トランサミン」などです。
外用薬ではメラニンを排出したり、ターンオーバーを促進したりする「トレチノイン」や、
メラニンの合成を抑える「ハイドロキノン」が処方されます。
また、フォトフェイシャルやレーザー治療が行われます。
美容鍼灸ではどうなの?
その他の治療法と同じく、鍼灸でもそばかすを完全に消すというのは難しいと思われます。
しかし、身体のバランスを整え、ストレスを解消したりホルモンバランスを整える事で
ターンオーバーを促進することが出来、紫外線対策と合わせて行えばそばかすが濃くなる
事を防ぎ、薄く目立たなくさせる事は可能です。
気になる方は一度ご相談ください。