衣笠仲通鍼灸接骨院、院長の加藤宏です。

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口呼吸と鼻呼吸とは?

人間の呼吸では口と鼻両方が使われていますが、実は多くの動物では呼吸は鼻で行われています。

口と鼻がつながっていない動物もいますので、そういう場合は完全に分かれています。

そういう人間も、解剖学的には口は消化器系、鼻は呼吸器系に分類されます。

とはいえ、気道と食道が途中でつながっているので、口から空気を吸う事も出来ますし、何なら鼻から何かを飲む事も可能です。

 

 

鼻呼吸にすべき理由とは?

口からでも鼻からでも呼吸が出来るのであれば、どちらでも良いのでしょうか?

やはり、呼吸器系である鼻を使った方が良いです。

 

鼻から入った空気は、まず鼻毛でフィルターに掛けられ、大きな異物はここで止められます。

さらに進むと鼻腔という空間を通過します。

 

狭い鼻の穴から入った空気は一度に大量に入らずゆっくり通過する事になります。

この時、鼻腔で体温と同じくらいに温められる事になります。

鼻腔の表面は粘膜でおおわれており、空気中の細菌や微細なホコリなどは粘膜に付きます。

鼻水で体外へと流し出されたり、くしゃみで外へ追い出されたりといった反応を起こして身体を守っています。

また、粘膜は湿っているので空気は適度に湿気を持ちます。

 

鼻と喉との間にあるリンパ組織である咽頭扁桃は免疫反応によって異物を排除します。

そうしてきれいな空気を肺へと送ります。

 

つまり、鼻の役割は外の空気から異物を取り除いてきれいにする事、そして適切な温度と湿度にする事と言えます。

このようにして体にとって丁度良い状態の空気が肺へと送られていくのです。

 

ところが口から入った空気は一度に大量に体内に入り、冷たく乾燥したままで異物も入りたい放題という危険な状態。

気道が乾燥してさらにウイルスなどにやられやすくなります。

鼻がつまっていると朝起きた時に喉がガラガラ、腫れて痛い、なんてことが起こるのはこの為です。

 

口呼吸が主だと外の空気がそのまま入る事で風邪などの感染症にかかりやすくなります。

口を開けてしまっている事で寝ている間にはいびきをかきやすくなったり、ひどくなると睡眠時無呼吸症候群を起こす場合も有ります。

免疫系に異常をきたす事で花粉症やアトピー、気管支ぜんそくなどのアレルギー疾患の原因になる事も。

口が乾きやすくなるので虫歯や歯周病、口臭などの原因にもなります。

 

鼻の穴が二つある理由

空気を体内へ入れるのが目的であれば、食物の入り口である口と同じく鼻の穴は一つでも良いのでは…?

なぜ、鼻の穴は二つあるのでしょう?

 

肉食動物にとっては獲物を捕らえる為に、また草食動物にとっては自分たちをねらう肉食動物から逃げる為に、相手のいる位置を正確に知る必要があります。

その為、目や耳は二つ付いています。

動物にとっては視覚や聴覚と同じくらい重要なのが嗅覚です。

どこから臭いが流れてくるのか?を正確に捉える為に鼻の穴も二つあると考えられています。

残念ながら、人間はそれほど嗅覚に頼らなかったので退化してしまい、そこまでかぎ分ける事が出来なくなったようです。

 

しかし、人間にとって鼻の穴が二つある理由はそれだけではありません。

上記のように、鼻を通過した空気は体に望ましい状態になっています。

一度に大量の空気が流れ込むよりも、少しずつ入った方が湿度を与えたり温めたりといった効果が高まります。

穴が分かれていた方が一つの穴が小さくなるので、流れ込む空気の量が少なくなります。

また、穴が二つになる事で鼻の穴の表面積が大きくなり、さらに効率的に湿度を高めたり、細菌などをとらえやすくなります。

その為に穴が二つになっていると考えられています。

 

鼻呼吸で酸素を沢山取り込む!

鼻呼吸が良いのはきれいな空気を吸う事が出来るようになるだけでなく、吸う量も増えて酸素を沢山取り込む事が出来る点です。

実際、やって頂くとわかると思いますが、鼻で呼吸をすると腹式呼吸になり、深く吸い込む事が出来ます。

逆に、口で呼吸をすると浅い呼吸になり、呼吸数が増えます。

鼻呼吸では気道が広がりやすく、沢山の空気を吸うだけでなく、ゆっくりした呼吸になると副交感神経が刺激され、リラックスする効果も有ります。

浅く早い口呼吸では交感神経が刺激され、緊張状態が強くなってしまいます。

 

美肌には酸素が必須

そもそも酸素は生きていくのに必要な物です。

血流が滞って酸素や栄養素などが不足するのは体の不調の原因の一つ。

お肌も同様です。

血流が悪く隅々まで酸素が行き渡らないとターンオーバーも乱れて肌トラブルも起こりやすくなります。

酸素が不足すると肌細胞の老化が進み、シミやしわなども出来やすくなります。

ゆっくりした鼻呼吸でしっかり酸素を取り入れ、身体をリラックスした状態で血行を良くしてあげる事はお肌にも大切な事です。

 

 

酸素が多いとお肌が明るくなる?

さらにお肌の色を決めるのは血行だけでなく、血液その物の色でもあります。

血液の中で酸素を運ぶ役割を果たすのは赤血球です。

赤血球が酸素と結びつくと鮮やかな赤色になります。

 

それが、身体を巡って酸素を各組織に提供していく内にだんだん暗い赤色へと変わっていきます。

酸素が豊富な鮮やかな赤色の血液が循環していればお肌も明るい色になります。

逆に、酸素が不足した暗い赤色ではお肌もくすんだ暗い色になってしまいます。

 

寝不足で目の下にクマが出来る事が有りますが、きちんと休息が取れず酸素が不足して血液の色が暗くなり、一番薄い目の下の皮膚が透けて血色が目立つことによって出来る物です。

 

鼻呼吸をするには?

口呼吸になってしまう原因は様々です。

扁桃腺が大きくなるアデノイドという状態では気道が狭くなり、鼻呼吸がしにくくなります。

アレルギー性鼻炎などで鼻が詰まりやすい方も口呼吸になります。

このような体の状態が原因の物はそれぞれに対する対処が必要です。

 

 

明らかな原因が無ければ、鼻呼吸をするように意識してみましょう。

通常の呼吸は横隔膜が動いて行われますが、深く吸い込む時にはそれ以外の筋肉も働きます。

意識して鼻呼吸をしているとそれらの筋肉も刺激され、上手く使えるようになり呼吸がしやすくなります。

 

頑固な鼻炎や花粉症でお悩みの方は鍼も有効です。

一度当院までご相談ください。

 

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