こんにちは!

JFACe公認、美容鍼灸認定講師の井上堅介です。

 

前回に引き続き、現代美容鍼灸の歴史をお話したいと思います。

 

前回は、看護師として患者様のケアをする中で、西洋医学の限界を感じ、西洋医学では出来ない、鍼灸治療による患者様へのケアに魅力を感じて鍼灸師となられた日本美容鍼灸マッサージ協会会長の上田隆勇先生が、美容鍼灸と出逢い、アメリカのマリーエリザベス先生の元で美容鍼灸を学ぶ中で、

マリーエリザベス先生の弟子である美容鍼灸師が、

がん患者様の身体のケアを本治で行い、美容鍼灸でお顔のケアをすることによって、最後まで、綺麗でいたいという患者様の想いを支えていることを知り、

 

上田先生が看護師時代に抱いていた、

「西洋医的にはそれ以上の処置が出来ない患者様に何か自分がしてあげらることはないのか?」という想いと、美容鍼灸が重なっていることに衝撃を受け、

 

美容鍼灸をきっかけにして、鍼灸治療の素晴らしさを体感してもらって予防医学につなげていくことで、医療としての鍼灸を多くの人々に広げて行きたいとの想いを胸に日本に帰国するところまでお話しました。

 

帰国後の日本の美容鍼灸の状態は・・

上田先生が日本に帰国してみると、やはり日本では「美容鍼灸」という言葉は、ほぼ無い状態でした。

 

後から知ることになったそうですが、

ある先生が単発でたまに美容目的の鍼灸をしていたけれど、定期的に開催される美容鍼灸講座は無かったそうです。

 

その上、

その先生の美容鍼灸は、顔に大量に鍼をするもので、それはそれで一つの理論なのかもしれませんが、上田先生が学んだ、アメリカやヨーロッパで行われている、

鍼灸の基本である<本治>をしっかりした上で、<顔への鍼の数は極限に減らして>、青あざ、内出血を作らないように施術するというものとは似て非なるものでした。

 

このままでは、

『怖い、危ない!』という美容鍼灸になってしまうので、

「自分が学んだ世界で通用する、世界基準の美容鍼灸を伝えたい!」

との想いが込み上げて来たそうなのですが、

 

その当時の世の中は、

「 鍼灸に<美容>?」

「 はぁ? 何言ってるの??」

と言われてしまう時代だったので、何も後ろ盾のない上田先生行動を起こすには厳しかったそうです。

 

日本美容鍼灸マッサージ研究会の発足

『でも、どうしても世界基準の美容鍼灸を紹介しなければ!』

との想いから、日本で初めての、本格的に美容鍼灸を学べ、ライセンスを発行する<認定美容鍼灸師養成講座>を主催する美容鍼灸の団体として、

 

<JFACe一般財団法人 日本美容鍼灸マッサージ協会>の前身である、 『日本美容鍼灸マッサージ研究会』を発足させたそうです。

 

そして、

上田先生が師事した、マリーエリザベス・ウェイクフィールド先生は、<キーコ松本スタイル>の長野式を治療に取り入れていて、非常に興味深い、本物のオーラを持つ美容鍼灸師なので、

ただただ、「この人を日本に紹介したい!」という熱い思いだけで、活動をしていたそうです。

 

マリーエリザベス先生の美容鍼灸セミナー開催への壁

ところが、

いざ、マリーエリザベス先生を海外から招いて、セミナーを開催しようと思っても、

お金もコネもない上田先生は自らがセミナーの手配のすべてをまかなうことが出来ない現実を思い知らされるばかりでした。

 

そこで、

思い切って、単身、母校である鍼灸学校の理事長や校長、教員養成科の学科長を前にして、<美容鍼灸講座のプレゼン>をしたそうです。

 

その結果、

80年以上の歴史の中で外部のセミナーに校舎を貸したことがない学校が協力を承諾して下さり、2008年にセミナーを開催することが決まりました!

 

さらに、

セミナーを成功させるために、自腹を切って、<無料>や<3000円>の勉強会を始めたそうです。

 

このような苦難の活動の中、

ある時は、いきなり批判を受けて、つぶされそうになる圧力もかかって来たこともあったそうです。

 

『東洋医学なのに、白人から鍼灸を学ぶ?』

『バカか?』

 

新しいことを始めると、あまりいい気持ちのしない人が出てくるもので、

『世界基準の美容鍼灸を多くの人に伝えたい!』

という熱い想いだけで、走り始めた上田先生は、本当に心が折れそうになったそうです。

 

2008年、ついに日本初の認定美容鍼灸師養成講座が開始

それでも挫けずに、折れそうな心を鼓舞しながら、

ついに、

2008年、マリーエリザベス先生が来日し、 JFACe主催の日本で初めて行われた認定美容鍼灸師養成講座が始まりました。

 

そこで50名の認定美容鍼灸師が生まれましたが、まだまだ知名度が低い状態です。

 

そこで、

プレスリリースを100社に出して、美容鍼灸の取材をしてもらえるように働きかけたそうです。

 

今でこそ、美容鍼灸は雑誌でよく見かけますが、

当時は、<あぶない、怪しいもの>扱いだったので、

小学館のAneCan(アネキャン)のライターなどは、本当に大丈夫なのかを確認するために1回仮取材をして、それを編集長が確認してOKが出たら、やっと本取材をしてもらえるような状況だったそうです。

 

さらに、美容鍼灸の認知度を上げるために、

『小顔になる!「顔ツボ」1分マッサージ』著 上田隆勇  という本を出版し、

<美容鍼灸マッサージ師>という長々した名前を創出して、「美容鍼灸」の知名度を上げる活動を続けたそうです。

 

こうした地道な活動の中、2009年に、2回目のマリーエリザベス先生が来日しました。

すると、

いつの間にか、他にも美容鍼灸を教える講座が開かれ始めたのですが・・・

 

次回につづきます・・・