衣笠仲通鍼灸接骨院、院長の加藤宏です。
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3月25日にNHKで
「東洋医学ホントのチカラ~最新科学で迫る鍼灸の秘密~Part2」
が放送されました。
前回に続き、今回は女性のお悩みというテーマで美容鍼からスタートです。
「顔だけやってもらえれば…」
最初に登場はタレントの菊地亜美さんの美容鍼灸体験。
美容鍼灸が取り上げられると、顔中鍼だらけだったり、電気をかけて顔がビクンビクン動いていたり…
なんてイメージを持たれる方もいらっしゃるのでは?
今回取り上げられたように、美容鍼灸は「心身の健康が第一」。
上田式美容鍼灸Ⓡでは「顔は心と体を映し出す鏡」とお話しますが、顔は身体の状態が現れるので身体を整える事が大切、という事です。
便秘がちになるとニキビが出来てしまったり、肩が凝っているとむくみが強い、寝不足での肌荒れ等、日頃の生活で感じる事もよくあるのではないでしょうか?
顔にだけ鍼をすればよいという物ではありません。
ここをしっかり取り上げて頂いて、視聴者の皆さんに理解して頂ければありがたいです。
確かに、お顔にする鍼も大切ですし、実際に血流も良くなります。
ですが、それだけでなく、体にも鍼をする事でさらに血行は良くなっています!
「上田式美容鍼灸®」では、必ず身体の状態を整える鍼をします。
「身体はいいので、顔だけやってもらえれば…」
と、事前のお問合せで聞かれることが有りますが、お断りするのはその為です。
身体のお悩みに対処する事こそが美容鍼の真髄と言えます。
刺さない鍼とは?
続いては「頻尿」にお悩みの女性。
疾患名で言うと「過活動膀胱」です。
通常の体では、尿が作られ膀胱に溜められた時に、一杯になると自律神経が興奮して脳に伝わります。
脳では尿意を感じるのでトイレに行こう、となります。
ところが、自律神経が乱れていると自律神経が関係なく興奮してしまうので、膀胱はまだ余裕が有るのに脳では尿意を感じてしまいます。
そして何度もトイレに行くことに…。
そんな頻尿にお悩みの方にお勧めなのがこちらのローラー。
肛門と生殖器の間にある「会陰(えいん)」というツボをローラーでやさしく刺激します。
そうすると、興奮していた自律神経が大人しくなり、関係ない所で尿意を感じる事が無くなります。
一日一回、会陰を10往復ローラーで刺激する事で頻尿が改善します。
ローラーでなくても、指でさすっても良いそうです。
しかし、強く刺激してしまうと逆に自律神経を興奮させてしまい、頻尿が悪化するのでお気をつけて!
番組ではこのローラーを「刺さない鍼」と紹介していました。
そんな鍼あるの…?
と思われたかもしれませんが、実は「鍼」=「刺す」では無いのです!
皆さんが鍼と聞いて想像するであろう、日本で主に使われている物は豪鍼と言われる鍼です。
これは「古代九鍼」と呼ばれる9種類の鍼の内の一つです。
古代九鍼は
.破る鍼
.刺入する鍼
.刺入しない鍼
の三つに分類されます。
「破る鍼」というのは現代で言うとメスのようなもので、皮膚を切って膿を出すような治療に使われていたようです。
刺入する鍼の代表は豪鍼です。
細くて尖った、皆さんが一般的に想像するであろう鍼はこちらです。
刺入しない鍼がこのローラーなどの鍼。
ローラー状の鍼を皮膚で転がしたり、細長い鍼の先でこすったり、皮膚に当てたり…など色々あります。
「小児鍼」と言われるものはこちらです。
子供の腕や背中、お腹などをこすって刺激する事で治療します。
実は、刺さない鍼もたくさんあるのですよ。
「耳ツボ」と言えば…
続いては世界でも使われている鍼灸の紹介です。
鍼灸、東洋医学と聞くとアジア圏のイメージが強いと思いますが、実は欧米を始め世界各国で行われています。
最初は米軍で行われている鍼灸治療。
ここで行われているのが「耳ツボ」を使った治療です。
耳つぼと聞くと皆さんは「ダイエット」と連想されるのでは?
実際に、日本の鍼灸院ではよく行われています。
しかし、ダイエットは耳つぼを使った施術の一種であり、実は腰痛など他の症状にも幅広く対応できるものです。
今回は10年来の腰痛に悩まされる米兵の方。
治療後は楽に歩けるようになっていました。
ダイエットに耳つぼを使う時は、食欲を抑える効果のあるツボや、ストレスを解消するツボを使います。
ストレスは過食の原因にもなりますし、ダイエットの為に食べたいものを我慢するとイライラしますので、それを抑える為に耳つぼを使っているのです。
ですので、適正な食事と適度な運動は必須です。
食べたいだけ食べても、運動が嫌いでも、耳つぼに鍼をやればみるみる痩せていく…みたいな物ではありませんのでお気をつけて。
アフリカを元気にするお灸
最後に紹介されたのはアフリカのウガンダ。
結核で苦しむ方をお灸が助けています。
日本ではかつて死亡原因第一位だった結核ですが、医学の発展などにより現在ではそれほど多くありません。
日本でも決して安心できる疾患ではありませんが、事態が深刻なのがウガンダです。
そこで使われているのがお灸、「三里(足三里)」というツボに灸をする事で免疫力を上げて元気になっています。
かつて「奥の細道」で松尾芭蕉もお灸をしていたという三里。
結核に限らず、日頃のセルフケアにも非常に有用なツボです。
是非皆さんも使ってみてくださいね!
日本から世界へ
このように、中国や日本だけでなく、世界各国で鍼灸は行われています。
中国から伝わった物もあれば、日本から発信された物もあります。
そしてアメリカやイギリスで体系づけられた美容鍼灸が生まれ、さらに日本に持ち帰られて上田式美容鍼灸Ⓡが出来上がったのです。
そんな素晴らしい鍼灸、まだまだ日本では受けた事が無いという方が多いのが現実…。
昨年秋からNHKで積極的に東洋医学や鍼灸が取り上げられています。
これをきっかけに、もっと皆様の身近なものになって頂ければと願っています。
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